車の燃費を良くするには? 燃費は“技術”で上げよう!
こんにちは、監督の由元です。
物価上昇が続く中、「少しでもガソリン代を節約したい」そう感じている方は多いと思います。
そんな方々のために書いてみました。
どうすれば燃費は良くなるのか?
荷物を降ろす?燃費タイヤにする?
もちろんそれも一つですが、しっかりと技術的観点で考えていきます。
■結論:燃費を上げる方法は主に3つ
燃費を良くする方法は、
① 馬力を使わないこと
② エンジンの熱効率を上げること
③アイドリング時間を短くすること
この3点に尽きます。
荷物を降ろす?燃費タイヤにする?というのも、馬力を使わないための作戦のひとつです。
③のアイドリング中の燃費は、無限大(km/L)ですので、アイドリング時間が長い程、燃費の平均値を下げます。
当たり前ですが、同じアイドリング時間なら排気量が大きいエンジン程燃料を使います。
①と②については、詳細を以下で説明します。
■なぜ馬力を使うと燃費が悪くなるのか?
ちょっと面倒くさい話ですが、エネルギー(仕事)とは、「力×移動距離」で表されます。車を走らせることもこれに相当しますね。
馬力を決めるのは、「力」と「速度」です。つまり、タイヤの駆動力×車速に比例します。
以上のことから、馬力を決める要素は「力(駆動力や走行抵抗)、移動距離、時間(←つまり車速)の3つ。
一方、燃費を上げるということは、少ない燃料で移動距離を増やすことです。
燃料の量がエネルギーに相当しますから、燃費を上げるとは、いかに同じ距離をいかに少ないエネルギーで走るかです。
つまり本質はシンプルで、使うエネルギー(=抵抗に打ち勝つ仕事)を減らす。
これに尽きます。
車は走っている間、様々な走行抵抗(車を止めようとする力)と戦っています。その抵抗は主にこの4つ。
- 加速抵抗
学校でならったF=ma(「質量」×「加速度」)で、重い車、そして加速度が大きいほど抵抗が増えます。
荷物を降したり、急加速をしない方が燃費が良いのはこのためです。 - 転がり抵抗
車そのものが持っている抵抗です。
人が車を押して移動させる時の力がこれにあたります。
タイヤの摩擦や車の重さと相関があり、燃費タイヤで燃費がよくなるのはこのためです。 - 走行抵抗(空気抵抗)
スピードを出す程大きくなります。最高速を決める主な要素です。
速度の二乗に比例するため、例えば100キロと120キロなど2割の速度差で抵抗は4割も大きくなります。
他の3つの抵抗と走行抵抗の合計と、エンジンのパワーが釣り合ったところで最高速が決まります。
また、cd値や、前面投影面積といわれる車の形状や大きさと相関があります。
例えば、FJ1600のような小さくて流線形ボディの方が抵抗は少なく、逆にトラックやバスなど大きくて平面なボディは抵抗が大きくなります。
軽自動車とSUV等のボディのサイズの違いで燃費も全然違いますよ。
スピードを出さない方が燃費が良いのはこのためです。 - 勾配抵抗
これは、坂道などの勾配による抵抗です。
自転車で坂道を上るときついの同様に、車重が重く勾配がきつい程、抵抗が多くなります。
これらはすべて「車を止めようとする力」です。
つまり、これらに打ち勝つためにアクセルを踏んで速度を出している、つまり、馬力=燃料を使っているわけです。
だからこそ重要なのは、 抵抗に逆らわないために、車を軽くし、加速に時間をかけ、速度を出し過ぎない。
・加速はアクセルをなるべく踏まずにゆっくり。
・加減速を避けてなるべく一定速を保つ。
・余計な荷物を積まない。
・燃費の良いタイヤにする。
・スピードをなるべく出さない。
・山道は避ける。
これだけでも燃費は大きく変わります。
燃費はテクニックではなく、物理です。抵抗に逆らわない走りをすれば、結果として燃費は必ずついてきます。
■もう一つの本質:エンジンの熱効率
もう一つの重要ポイントが、エンジンの熱効率を上げること。
これは以前、ブログにも書いた「BSFC=燃費率(g/ps・h)」を高めるという話です。
簡単に言うと、同じ燃料でどれだけ効率よくエネルギーを取り出せるかです。
A/Cのや、ヘッドライト、ワイパー等の電気ものも、エンジンのエネルギーを使うため燃費は悪化します。
あくまで燃費だけを考えるなら使わない方が良いです。まぁそこは、安全は最優先でお願します。
ガソリンに関しても一般的にはレギュラーよりもハイオクの方が燃焼効率を上げることができ燃費は良くなります。
レギュラーとハイオクの価格差以上に燃費が良くなるならハイオクの方が経済的ですね。
低燃費オイルの使用なども、エンジンのフリクションが減って燃費の向上が期待できます。
もし本格的にエンジンのチューニングするならば、他に燃費向上のための技術はいくつもあります。
カムのオーバーラップを狭める(パワーとのトレード)EGRの活用、等々。
ですが、最も効くのはこれです。
燃料をしぼる=空燃比を薄くすること(※燃焼が安定する範囲で)
例えるなら、みそ汁に使う味噌を少しずつ減らして、みそ汁として成立するギリギリの薄さを狙うようなイメージでしょうか。
■空燃比の真実
実は、パワー重視 → 空燃比 約12.5 (みそ汁に例えるなら濃い味)
一方、燃費最優先 → 空燃比 約16.0(みそ汁にたとえるならかなり薄味)
と、まったく違います。つまりパワーを出すセッティングと燃費は両立しない。
逆に言えば、若干パワーを犠牲にすることで大幅な燃費アップが可能です。
これもみそ汁に例えると、味噌を増やせばコク(=パワー)は出るけど、その分“消費”(=燃料)は増える。逆に味噌を減らせば、コクは落ちるけど“消費”は抑えられる。両方を最大にはできないというイメージでしょうか。
※空燃比を変える場合は、ノッキングや排気温度を考慮した点火時期の最適化も重要ですが、今回は本質から外れるため割愛します。
■レースで証明済み
我々、由元ガレージでは実際にこの考え方で車両を作っています。
特に燃費が勝敗を分ける耐久レースでは、 燃費チューニングがそのまま結果に直結します。
由元ガレージビートは、ECUチューニングによって、アクセル全開で加速しても街乗りと同等の空燃比となるように燃料を制御しています。
だからサーキットを走らせても燃費が良く、毎年参戦しているK4GPでは実際に上位の成績を収めています。

■ECUがすべてを決める
空燃比を薄くするにはどうしたらよいのか?
ここで重要になるのがECUです。
多くの純正ECUでは、負荷がかかった際にはパワーが必要ですので、パワー重視のセッティングになっています。
そこを、Speeduino ECUなどのフルコンを使い、燃費重視の空燃比制御にすることで、大幅に燃費を向上させることができます。
運転領域ごとの燃料セッティングが可能になります。
■まとめ
燃費向上の本質はこの3つ。
・馬力を使わない
・熱効率を上げる
・アイドリング時間を短く
アルミテープチューンやエアロフィン等の小手先ではなく、理屈で考えると燃費は確実に変わります。
「速さ」でなく「効率」を追求することが本当のチューニング。ぜひ一度、試してみてください。

